『男が痴漢になる理由』




痴漢の被害者は、なにも女性ばかりではありません。男だって痴漢の被害に遭うわけですが、痴漢被害に遭ったこと、ありますか?

 

『男が痴漢になる理由』という本を読んで、痴漢が「依存症」の一種だということを知り、とても驚きました。

何かのはずみで他人の体に触れてしまった時の感触や快感が忘れられず、そこへ日常的なストレス(仕事がうまくいかないとか、大切な人を失うとか)が引き金となって、実際の行為に及んでしまう。そのうち繰り返して行うようになり、やめられなくなっていく・・・

まさしく、買物依存症やアルコール依存症、ギャンブル依存症などと同じメカニズムだったんですね。

 

3月2日。この本の著者で、依存症治療のクリニックに勤務する精神保健福祉士・斉藤章佳さんのトークイベントに行ってきました。トークのお相手は、買物依存症をネタにしたエッセイでおなじみの中村うさぎさん。

本で読むのとはまた違って、リアルな話を聴けたのがとても良かったです。

 

イベントの中で印象的だった言葉が、

「アディクション(依存)の反対はコネクション(つながり)」

 

つまり、人とのつながりを煩わしく思い、誰ともつながろうとしないで孤立を深めてしまうと、人は「何か」に依存してしまうワケです。

 

ここ最近、「孤独」について考えることが多かったので、愕然としました。当たり前の結論ですが、人は誰か(何か)に頼らないと生きていけない。支えが必要なんだ、と。

最近問題となっているのが、スマホ依存やSNS依存ですが、みんな寂しさや自己承認欲求を満たしたくて手放せなくなってしまうわけですね。

 

もちろん、依存がすべて悪いわけではなく、心の安定や支えになる働きをしてくれるものではあるけれど、日常生活にまで影響を及ぼしてしまうほどのめり込むのはとても危険なこと。ましてやそれが「痴漢」ともなれば、他人に迷惑をかける犯罪行為ですからね。

 

そうした対処法として、ストレスコーピング(代替手段)の選択肢を増やすことを勧めていました。

具体的には、多くの趣味を持つことだったり、気分転換の方法だったり、依存したくなるスイッチが入りそうになった時に対処できるパターンを事前に想定しておくことが、依存症の回復には重要だそうです。

 

これから春になり、タイミング的にも何か新しいことを始めたくなる季節。心が依存へと傾きかけた時に、気持ちを切り替えてくれる選択肢を増やすという意味からも、まったく未知の領域にもチャレンジしてみようかな。そこから何かが見つかるかも。あ、痴漢はダメですけれどね(笑)。


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ABOUTこの記事をかいた人

KENT

映画館で映画を観るのが好きな、夢見がちな40代。 観てきた作品の感想などを中心に、気になる本なども紹介したいと思っています。 (ユーザー名は、若手俳優・林遣都クンの名前から拝借!)