羊の木




自分の家の近所にどんな人が住んでいるのか?
また、近所の人から自分はどんな風に見られているのか?
考えてみることって、ありますか?

『桐島、部活やめるってよ』や『紙の月』の吉田大八監督の最新作、『羊の木』は、知らない人をどこまで信じることができるのか?を考えさせてくれる深~い作品でした。

6人の元受刑者が富山県のある港町に移住するところから物語は始まりますが、その背景にあるのは、地方で起きている過疎化問題、そして刑務所の過剰収容や受刑者コストの問題。
(受刑者一人あたり年間300万円かかるって知ってました?)

これらの社会的課題をイッキに解決する画期的プランが、元受刑者の移住なわけですが、問題なのは受け入れる側の住民に情報が一切知らされないということ。まあ、事前に知らされたら反対運動が起こるのは必至ですからね。

閉鎖的なコミュニティの中に、知らない人、怪しい人がやって来たとき、人はどのような反応を示すのか?

逆の見方をすれば、人生につまづいた人が心機一転、社会でやり直すのがいかに難しいかを痛感。

元受刑者6名を演じたキャストの演技も見ごたえ十分ですが、住民役を演じた名バイプレイヤー・安藤玉恵、中村有志の演技にも心揺さぶられました。「大事なのは居場所があること」という台詞には思わず涙が。

人はなぜ、異質な存在を排除しようとするのだろう?
ちょうど読んでた脳科学者・中野信子さんの『ヒトは「いじめ」をやめられない』という本の中にその答えが。

共同体をつくることで生き延びてきた人間の脳には、邪魔になりそうな人物に制裁行動を起こさせる機能が組み込まれているとのこと。
この本を読むと、いじめ、ネット炎上、ヘイトスピーチ、移民排除の動きなどが起きるメカニズムも理解できます。

居場所って、誰かが準備してくれるものではなく、自分でつくっていかなければいけないものなんだということを、映画『羊の木』『ヒトは「いじめ」をやめられない』から学びました。


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ABOUTこの記事をかいた人

KENT

映画館で映画を観るのが好きな、夢見がちな40代。 観てきた作品の感想などを中心に、気になる本なども紹介したいと思っています。 (ユーザー名は、若手俳優・林遣都クンの名前から拝借!)